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Esquièze-Sèreのまち
やがて道は、また平坦になり、リュに近づくにつれて車が混雑してきた。
まちの入口付近にキャンプ場があり、隣にはスーパーマーケットがあるので、そのあたりはひどく渋滞していた。
混雑を抜けると、すでにエスキエーズ・セールというまちの中に入っており、そのまちはリュと隣接していた。
このあたりはいくつもの村やまちが、ひとつのまちといっても良いほどくっつきあっている。
 リュ(LUZ)はユーゴの旅行記に出てくる最後のピレネーのまちで、彼はこう描写している。

リュは、ピレネーではめずらしいことだが、素敵な古いまちだ。
まちは三角形の深い谷間に気持ちよさそうに収まっている。
まわりに三つの山があり、その山あいから陽光があふれてまちに流れこんでいる。
スペインの山賊や密輸業者たちがアラゴンを発ち、ロランの切り通しを抜け、ガバルニの暗く恐ろしい谷あいを出たとき、 突然眼にする光のひろがりは、まるでワイン蔵の内側から扉を開けたときのように映ったことだろう。
更に進んだところで、彼らは、陽の光と活気にあふれたこの大きなまちをみつける。
そして、ふさわしい名前、LUZ(光)と名づけたのだ。

※ロランの切り通し(Brèche de Roland)=シャルルマーニュ大帝の武将ロランが山を穿って作ったといわれている狭間


LUZのまち
このころ、ユーゴは毎年のように夏になると、愛人のジュリエット・ドゥリューエと旅をした。
しかし、この年は、楽しい旅もこのまちが最後だった。
この後、ユーゴは大西洋に浮かぶオレロン島へと渡ったが、そこで悲痛な知らせを受けることになる。
右の写真はLUZのまち。遠方にガバルニの谷を望む。

ピレネーへの旅 - リュ  ビクトル・ユーゴ

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