敗戦になって、全北街道は連日「マンセー(万歳)、マンセー」とデモ行進の列が続いた。父は用心深いたちで、台所の木の扉一箇所を 残して、家中の戸・窓を外から板を打ち付けてふさいでしまった。ある夜、隣家の長男の中学生が泣き叫びながら、その扉を叩く音で目が 覚めた。隣家に賊が押し入ったのだ。父が木刀を持って駆けつけた時、賊はすでに退散した後で、隣家の主人が全身を滅多打ちされて 横たわっていた。隣家の主人は専売公社の煙草工場に勤めていて、襲ったのは、彼の部下だった朝鮮人2名だった。子供の目から見ても 隣家の主人は謹直な人柄で、その人柄が恨みを買ったのだろう。南鮮にいたので、わが家の全員は欠ける者なく、その年の12月に、 貴重品だけをリュックに詰めて、群馬の祖父の家へ引揚げることができた。だが一ヶ月と間を置かず、蔵の白壁に大穴を開けられ、 貴重品全部を盗まれてしまった。犯人は朝鮮人と噂されたが真偽のほどは判らない。彼らは戦勝国民のように振る舞い、警察も手が出せない のだった。わが家の門前から西を見ると、赤城山の尾根が長く伸びていて、天神山と呼ばれるが、そこには牛の骨が累々と横たわっている そうだった。朝鮮人が農家の牛を盗み、そこで屠殺しているとのことだった。 たまたま今朝の朝日新聞(2017年5月30日朝刊)に「五輪の風 韓国をどこに運ぶ」という見出しで、次のような記事が載っていた。 今回の大統領選挙に当選した文在寅は「81万人の雇用を作る」と宣言して当選した。雇用の中身は警察官・消防士・福祉関係者といった 公務員である。これが失業不安におびえる若者に受け、当選につながった。しかし税金で働き口を作る政策は持続可能なものではなく、 すでに公務員を増やし過ぎて財政破綻したギリシャの例がある。また韓国を訪れる中国人観光客も激減している。こちらは、韓国政府 が米国の高高度迎撃ミサイル(THAAD)を配備したことへの報復として、中国政府が旅行会社の韓国ツアーを禁止したことによる。これもまた ボデイーブローのように韓国経済に効いていると報じていた。中国大陸に連なる半島国家の宿命なのだろうか、多難な韓国の未来(日本にとっても人ごとではない)はまだまだ続くようだ。(中村 聰)

{参考図書}三宅雪嶺「同時代史」第2巻、清水勲「ビゴーが見た明治日本」、Wikipedia、朝日新聞社編「史料明治百年」、 三和良一「概説日本経済史 近現代」、週刊朝日編「値段史年表」、吉村昭「ニコライ遭難」、石光眞清「城下の人」、 琴乗洞「金玉琴と日本―その滞日の軌跡」、大久保利謙編「明治政府その政権を担った人々」、黒龍会「東亜先覚志士記伝」上巻、現代日本文学大系6「北村透谷・山路愛山集」、 中村隆英「明治大正史(上)」、平岡敏夫「北村透谷研究 評伝」、豊田隆雄「本当は怖ろしい韓国の歴史」




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