六本木

 秋晴れの天気に誘われ、透谷が「明治25年11月3日に麻生箪笥町の崖上の家に転居」という現地探訪に出掛けた。麻生箪笥町四番地の現在位置 は、港区役所窓口調整課の「六本木一丁目四番地」という回答と、港区郷土資料館の高速道路が交叉する辺りという教示に従い、地下鉄 「「六本木一丁目駅」に降り立っ。ここまで来るのが難行だった。9本ある東京地下鉄の内、南北線(目黒→赤羽岩淵)は7号線と呼ばれ、 「「六本木一丁目駅」のホームは地下4階だが、改札口は地下2階という複雑さである。東京暮らし半世紀に及ぶ身ながら、「六本木」という土地に 馴染みは薄い。
 長い石段を登って、駅の出口へ出るとそれは長い坂の途中にあった。遙かな坂下は高速環状線と高速2号線が三角のループをなして繋がっており、 これまた遙かな坂上はギンギラギンの夕日が輝いている。
 六本木一丁目四番と言えば高速道路のこちら側で、向こう側ではないのだが、何となく夕焼け空を背景とした向こうの岡が、所々に庭の竹藪の綠など があり、明治20年代の面影を残しているような気がして、何枚か写真を撮った。秋の日はたちまち落ち、暗くなったので帰路についた。


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